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Go for 雄蛇ヶ池 9/11.12

ゴーフォーの取材の為、千葉県雄蛇ヶ池へ行く。
二年前の12月に行った時は、冬にもかかわらずウィードが多く残っており、
一匹しか釣れなかったけど攻略し甲斐のある池として楽しかった思い出のある場所だ。
今回は9月ということもあり、フロッグゲームをしたくって選んだ場所。
事前の情報でもいいサイズがポロポロ釣れているってことで一安心。
ゴーフォーの場合、大体2ヶ月から3ヶ月前に場所と日程を組んでいくので、
直前にその場所のコンディションがどうなろうと変更は不可。
そんなもんでやばい場所が多くなっちゃうんだけど、今回は9月と言う事もあり
気持ち的には自信たっぷり。
ところが・・・・。
朝イチ現場に到着すると、目の前にある池はとんでもないことになっていた。

何と前まであんなにあったウィードが全く無くなっているのである。
水はアオコが攪拌してしまっていて白っぽい変な色。
どうなっちゃっているんだというか、ここまでかとびっくり。
昨年の秋、雄蛇ヶ池に草魚を放したと聞いたとき、嘘だろと思ったのだがまさかいきなりここまで
やっちゃうとは想像を絶するパワーだ。
随分前に、あのスモールで有名な野尻湖で、昔はウィードがたくさんあって、
大型のヘラが釣れる事で有名だったんだけど、草魚を入れちゃって全く駄目になっちゃった
んだよねって、あるヘラ師から聞いたことがあったのだが、日本でもそんな危険なやり方で
ウィードを取り除こうとしたことがあったんだなと、びっくりしたことがある。
アメリカでは昔、フロリダ州のあるレイクで草魚を入れちゃって、大変な騒ぎになった事があると聞いた。
全てのフードソースの根源となるアクアティックベジテーションをとことん食い尽くしてしまう、
最もデンジャラスな魚だといっていた。
この失敗の為、フロリダ州は何億だか何十億かけて、その広大なレイクを再構築したという。
今回の場合は試験的放流。
しかも200匹だかの稚魚。
更に草魚の寿命は8年くらいで、流れの無いところでは天然繁殖しないので大丈夫
なんて見解が出されていると聞いたが、一年であれだけ壊滅的ダメージを与えてしまう魚が、
あと7年生き続けるとしたら、一体どうなっちゃうのって話。
今回、ハスの葉はまだ残っていたが、葦の新芽もやられちゃっているらしいし、
今後を考えるとやばすぎる。
日本であれだけのハスやウィードがあって、しかもレンタルボートもあるバス釣り場は
俺が知っている限り他には無い。
本来であれば特別な扱いを受けてもいいぐらいな希少な水域を何故そんな試験場所にしてしまったのだろう。
地元のバスマンやボート屋さんは反対したのだろうか?
それともまさか、ウィードが無くなって釣りやすくなるなんて安易に考えてしまったのだろうか?
オレには良く分からないが、目の前にある池は相当なダメージを受けていたのである。
釣りの方は、ハスの中をしっかりフリップしていくという釣りにたどり着き、
何とか成立させることが出来たのだが、数週間前まではハスのエッジ外側にある、
どうにか残っていたウィードラインを攻めればガンガン釣れていたらしい。
他にウィードが無くなっちゃえば、そこに集中するのは当たり前だし、
それも簡単な釣りで攻めきれちゃうんで、釣れたのは良く分かるが、
それははっきり言って束の間の喜びでしか無いだろう。
今回釣れて来たバスの中にはげっそりと痩せてしまい、
もう冬を越すのも無理じゃないかと思える個体もいた。
当然ながらベイトフィッシュが跳ねるなんていうのも見なかったし、
台風の雨一発で一気にターンオーバーしてしまった事実も、プロテクトしてくれていた
ウィードが全然無くなっちゃえば速攻で水が混ざっちゃうのも当然だろう。
今後、雄蛇が池がどんな方向に向かっていくのか分からないが、
この地に通うバスマンやボート屋さんが一体となって是非この危機を乗り切って欲しいと願わずには居られない。

コメント (7)

184:

いつも楽しく拝見させてもらってます。いや~田辺さんの切なる思いには共感され同時に何か大切なモノを考えさせられますね。どんどん良い方向へ進む事を願うと同時に行動で示す時が来ているのは、確かなのですが一般アングラーはそこまで達していない気がしますが僕も一人の釣り人として何かやらなきゃと思う今日この頃です(苦)。

OBA:

昨年だったかな。僕は長いことバス釣ってるんですけど、初めて雄蛇ヶ池に行きました。そこでボート屋のオヤジさんに聞かされたのが草魚放流。ツンツルテンになってしまうから止めた方がいいですよって大反対したのですが……、放しちゃったんですね。レイクマーレイでも同じことがありましたよね。せっかくのいい釣り場がまたひとつ失われてしまったと思うと悲しい限りッスね。

管理人:

コメントありがとうございます。
これをやっちゃったらどうなるか・・・。そういうことに敏感になれるのがバスマンだと思っていたのでこれを聞いて相当落ち込みました。
どこの行政でも環境保護の中で水棲植物の保護は上位にあげてます。葦やハスじゃなくてもっと草魚の大好きそうなヤツです。
そういう観点でも問題が起こる可能性は高いし、田辺さんもおっしゃるようにどれほどベイトやバスにとって優しいか・・・気が付いて欲しかったです。
あんな小さな池が最も古い部類のレイクとして釣れ続けてることの要因の一つであったことは間違いなかったとおもいます。

ゼン:

昨今のいわゆる外来魚問題…
釣りを通していろんな事を考えさせられるとても大きなものです。

その水系に存在しない種を入れたらどうなるか分かりませんよ?
机上の理論じゃ自然は計れませんよ?

っていうのを痛感した問題ではなかったのでしょうか?
それなのに、外来種に指定されてはないとしても過去に問題のあった種を放流してしまうなんて…
手遅れになる前になんとかして欲しいですね。


hiro:

煽りでも荒らしでもありません。
純粋にブラックバスが好きで、田辺氏を尊敬している者ですが・・・

いわゆる在来種といわれる魚が釣れる場所で
バスの存在が確認された時の釣師たちの衝撃ってこんな感じだったのかな?

>>その水系に存在しない種を入れたらどうなるか分かりませんよ?
机上の理論じゃ自然は計れませんよ?

この言葉こそ、我々バスマンが重く受け止めなければならないのではないのでしょうか?

管理人:

hiroさんコメントありがとうございます。
コメントするのに結構勇気入っちゃったかもしれませんが、このサイトはゲームフィッシングと田辺哲男を理解しようとするうえで、オレはこうおもうっていうのを書いていただいてって言うのが良いスタイルだと思うんで、書き込み大歓迎ですよ。議論するっていうのはまた別のサイトでやってるでしょうし、議論ではなく、骨太の人間が集まってこう思うんだけどっていう人間が集まってくれればと思ってます。これからもヨロシクです。自分が今回のことで思うことは一般のバサーはそこまで自分を追い込まなくていいんじゃないかってことです。自分がそのエリアにバスを移入したってのなら反省も必要かもしれませんが。バスの置かれた立場を把握してアチコチの顔色を伺って行きましょうって言うのではなく、やるべきことはやった上で胸を張って楽しむべきだと自分は思います。

オジャガマン:

田辺さん始めまして!!

「ゴー・フォー・イット」毎回楽

しみにしています。

オジャガ池専門で釣りをしている

者ですが。。。

最悪が現実になりました。

蓮エリアが、ほぼ壊滅状態です。

草魚の脅威を感じました・・・。

釣果は、悪いというわけではない

のですが、これからの季節の水質

等でどうなるか・・・

とても心配です!!!

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2007年11月29日 20:23に投稿されたエントリーのページです。

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