横浜から母を呼び寄せ、自宅でお正月っぽく食事する。
おせち料理は目黒の『鯛の鯛』という店で作ってもらった。
ここ数年ここのおせちでお正月というのが気に入っている。
なんといっても味が良い。
食材、味付けにこだわった職人魂の詰め合わせ的な所にぐっと来る。
午後、母を実家に送るのと同時に、みんなでお墓参りに行く。
田邉家の墓は、元町山手に程近い山にある。
墓石の数はたくさんあるのだが、『田邉家』『田邊家』と二つの文字がある。
同一のエリアでこの状況って一体どうなっているのか良くわからないが
どちらにしろ繋がりがあるのだと思う。
一番先にお参りするのは一際高くそびえ立つ五輪の塔だ。
ご先祖様の集合体と言われるこのストラクチャーは、
一見すると、ただのオブジェのように思うかもしれない。
しかし、「実は大切なものである」ということを１５年程前に教わった。
それ以来欠かさずお参りする事にしている。
勿論、線香立てなんていうものが付いているわけではなく、
勝手に小石を積んでそこに線香を一束置く。
最初のころは来るたびに掃除の人によって片付けられていたが、
ここ数年、石だけはそのままになっている。
多分掃除の人も、何が起こっているかを理解してくれたのだと思う。
オレ自身はっきり言ってしまえば信仰深い人間ではないし、
特別な宗教を崇めるわけでもない。
自分に起こることは全て自分のせいというタイプなので、
悪いことも良いことも全て自分に回帰させている。
しかしながらお墓参りだけは特別だ。
なにしろ父や母、その前身となる先祖がいなければ
自分は存在すら」していないのだから。
忘れてしまいがちな原点を一つ位持っていないと時として、
自分や周りにやさしい気持ちを持ち合わせられなってしまう気がする。
正直言ってしまえば、それとともにご先祖様からの
エキストラパワーを期待している自分もいるわけなのだが。（笑）