横利根川に初釣りに行く。
相手はヘラだ。
出船は中島屋から。
三本ほどの”みざお”を積んだ舟(和船)を出し、
先に出船している石井旭舟さんのいるエリアを目指す。
例会が入っているらしく両サイド舟だらけだ。
ヘラ釣りのマナーである一本オールで漕ぐ。
和船なので舟が長い。
はっきり言ってとてもやり辛い。
固定してしまえばFRPより安定するので、釣りやすいのだが進みはノロイ。
旭舟さんの仲間の横につけさせてもらう。
まだ誰も釣れていない。
なんと言っても冬の横利根だからね。
覚悟して餌打ちを始めるのだが3時間程しても何も無い。
バランスの底釣りでやっていたのだが段底に変える。
なんと五投目で一枚目を釣る。
その後2時までやって4枚追加。
計5枚で初釣り終了。
石井さんの舟で引き舟してもらう。
石井さんの舟はヘラ専用のスーパー和船。
もう横利根川では数少ないエンジン船だ。
もう何十年も前の舟だが木の上にFRPコーティングされていて
木目くっきりのかっこいい舟だ。
こうした舟はヘラ師代々に渡って譲り受けられ使用されてるようだ。
石井さんの舟は、やはり著名なヘラ師から受け継いだもので、
それ以前のものは現在も知人により受け継がれているそうだ。
船宿に着いてからの石井さんの言葉だ。
『今日はみんなあんなに舟を前に出して”みざお”を打っていたから
通り辛いったらありゃしない。はっきり言ってルール上で設定された
位置からあんなに前に舟を出されたら、ちゃんと舟着けした者は
釣れやしないよ。それをあんな名のある人たちがやっちゃって
いるんだから困ったものだよ。』
ヘラ釣りの歴史は古い。
石井旭舟さんでさえまだまだ若手のポジションなのだ。
やはり学ぶものがある。
日本のバス釣りの歴史ももう40年になろうとしている。
先頭に立つ人間はちゃんとした釣りを伝えていかなければならないし
若い世代の人間の声をしっかりと聞き入れるスタンスを常に維持しなくてはならない。
そんなことを再認識させられた出来事だった。