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二日目

前日に分かったことは、バスたちは水面の極小ベイトを食っているか、

ディープのハゼ系を喰っているということ。

中層にベイトが映ることはほとんどない。

つまり、今回持ち込んだタックルでは、テキサスメインでやるっきゃないということ。

ディープクランクやスローロールで一発もバイトが無いのにシャクワームのテキサスだけは食う。

水深3m~20m。

食う所はどこでも食う。

とにかくやるっきゃないよという事で、

テキサスバンクうちで50cm弱ぐらいまでのサイズを釣りまくった。

そして昼過ぎに撮影終了。

だってそれ以上がないのだ。

釣れてくるのはみんな良いバスで、引きも強いし、良いのだが今日持ち込んだ

ルアーやタックルでは違う展開に持ち込めない。

ライトリグ水面攻めや、極小ミノーの釣りなんかで違うハメ方ができれば良いのだが

それも出来ない。

だったらフィリピンのバスのルーツのレイクへ行こうと話がまとまる。

50年以上も前に持ち込まれたフィリピン初のバスレイクが今はどうなっているか

見てみたくなったのだ。

ボート舞台が夜中に走り、コチラは朝一から移動ということになった。

マニラを越えて反対側へ行くので、8時間ぐらいの移動。

ロケ日を考えると最終日に一日だけそのレイクが出来る。

現場でその昔ガイドをしていたというフィリピン人は、はっきり言ってタフだよと語る。

夕方現地のリゾートへ到着。

とってもいいホテル。

勿論レイクフロントで、湖のあちこちが見える。

夜、食事中湖のあちこちで明るいライトの光がうごめいてる。

何をしているのか聞いてみると、なんとカンテラで湖岸線を照らし、

見える魚を片っ端からモリで突いて行く漁だという。

魚種は問わず、鯉からバスまで何でも行っちゃうらしい。

それってバスの産卵期にやったらどうなっちゃうんだろうと不安がよぎる。

翌朝ボートを降ろし、現地で数年前までバス釣りガイドをたまにやっていたという

ベンと言う名のフィリピン人と共に湖に出る。

奥に行くに従い、多くの葦や水生植物が出現してくる。

とても良い感じ。

湖岸にはレイダウンやブッシュが点在している。

これは釣れるなと直感的に思う。

しかし、湖の水面は静かなまま。

魚が跳ねるとか、水鳥が居るとか生命感が無い。

こんなにゴージャスに見えるのにどうして?

その答えは、釣り進むごとに明らかになってきた。

あらゆる場所に刺し網。

漁師が一つのワンドへ3本も4本も対岸まで仕掛けている。

引き上げているとこを見ると、三つ上げて一匹のテラピアと一匹の20cm程のバスがかかっていた。

確かにバスはいた。

しかし、ほとんど網に掛かっていない。

ベンになぜこんなに魚が少ないんだと聞く。

すると彼はこう答えた。

まずはプラスマイナスを水中に突っ込む電極漁。

大型の魚は夜のカンテラ漁と、昼間のダイビングモリ漁。

そして無数の刺し網。

いわゆる根こそぎなのである。

この地において、魚に逃げ場は無い。

特に深場のほとんど無いこのレイクにおいては、バスはおろか鯉すらも増えられない

状態だったのである。

恐るべしフィリピン。

考えられない情景が目の前に広がっていたのである。

この日、バスを釣り上げる事は出来なかった。

二つのレイクを回って完デコである。

この出来事はかなりショックだった。

あんまりである。

今回行ったパンタバンガンは水深が深く、全ての魚を漁で取ることは出来ないだろう。

バスが入ってからまだ8年くらいしか経っていないということで、

この先もっと大型の個体が釣れだすであろう素晴らしいレイクである。

水位が上昇する11月から2月になれば岸辺は立ち木やカバーだらけになるし、

とてもエキサイティングな釣りが出来るはずである。

日本のバスフィッシャーマンにも是非味わってもらいたいレイクである。

ただ、日本よりも更に規制の無いフィリピンのバスフィッシングの未来は、

果たしてどうなるか分からない。

時代と共に移り変わるのか、それとも全てを獲り尽くしてしまうのか。

ゲームフィッシング制度が導入されるのか。

現在パンタバンガンでは小規模であるが、Bass of the Fhilpinという団体が

トーナメントを開催し、リミット制を導入し、もちろんキャッチ&リリースを前提にバスフィッシングを

楽しもうとしている。

彼らの始動にエールを贈ると共に、バスフィッシングの力でルールのある

環境保全が出来上がることを願ってやまない。


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2007年11月01日 07:00に投稿されたエントリーのページです。

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